“ガラパゴス“で自己満足した日本の家電メーカー

私は日本の家電メーカーを愛している。特にオーディオ機器を愛していた。パイオニアソニーテクニクスダイヤトーンなどのブランドだ。どれも日本の輝かしい電機メーカーだ。アメリカである家庭にお邪魔したときにリビングに鎮座していたのは、こうしたオーディオ機器だった。CDが世に出たとき。その栄華は頂点といってもいいだろう。cdの規格の策定の際にソニーの大賀氏が関わったというのは有名な話だ。このときデジタル革命は、まさに産声を上げていたのである。
そして、2000年代に入り、iPODの登場でデジタル革命はネットとの融合となる。
 思い返すと、このときから日本の家電メーカーの製品でワクワクする欲しい商品がなくなった。パソコンならば正直どのメーカーでも変わらないしdellで十分と思っていた。
 ただし日本製でないと満足できない物があった。「携帯電話」である。日本語の変換機能やおさいふケータイなどは日本メーカー最高!ガラパゴス携帯最高!だった。海外出張でのローミング用にLGの携帯を買ったが使いづらいこと!メールもひどいものだった。
 ところがである。スマホ時代が変えてしまった。スマホは携帯のジャンルに入るが正確には「小型パソコン」だ。全てはアプリが解決してくれるようになり、携帯電話時代はほぼ終わったのだ。
 いかに安く製品を作るかの次のステージになってしまったのだ。
日本メーカーの製品は果たして「欲しいもの」だろうか?
多くの人が「別に〜」ではなかろうか。

 つまり日本の電機メーカーはこのイノベーションに乗り遅れたのだ
日本の携帯電話は「高性能」であるが「世界標準」ではない。いや「世界標準ではない」が「高性能」と自負していた。が、これは間違いであったことがスマホというステージに移り明らかになったのだ。
実は「使いづらい携帯だった」と

別にスマホだけではない。冒頭のオーディオ機器でも顕著だ。アメリカでベストバイの覗いてもかつてのオーディオ機器はマニア向けだ。一般むけにはiPODをつなぐ、スピーカードックが並んでいる。かつてのオーディオ機器の市場は「消失」したのだ。
 そしてテレビも大赤字だ。ブルーレイも儲かってないだろう。ヤマダ電機に行くと数年前では信じられない値段で売っている。
 
 いたるところで市場が焼失している。大きな市場の変動がおこっているのがわかっていないのではないか?と門外漢ながら思ってしまう。

 そもそも「ガラパゴス」と呼べるほど「進化」していなかったのだ。
残念ながら実は技術ばかりを重んじる「シーラカンス」だったのだ。「ガラパゴス島」の生物は、その環境に対応して「進化」した。残念ながら日本メーカーは環境に対応出来なかったのだ。そして今市場から淘汰を受けているのだ。
 ところが決算では「円高」が原因とされてしまう。こんな馬鹿な話はない。日本メーカーの製品の裏を見るとマレーシアや中国の工場でつくっている。円高対策は出来ているはずだ。ところが円高が原因とされ市場の変化、そして自分たちが対応出来ないことを見ていないのだ。経営者に便利なマジックワード円高」を使って隠しているに過ぎない。

 シーラカンスは曲がりなりにも生きた化石として生き残った。恐竜は消え去った。果たして日本企業はどちらの道を歩むのか?
 経営者が変わらない限り大変難しいと言うほかないのではないか?
生物は脳がより発達することで競争に打ち勝った。経営者がまさに頭脳である。うーん厳しそうだ。電機メーカーは今後縮小をずっと続けていくことになるのだろう。本当の価値ある商品を生み出す経営者が出てこない限り、日本の電機メーカーの株式は買わないぞ!