電機メーカーは生き残れるか

必読の記事だ。

シャープは過去最悪の最終赤字に “屋台骨”テレビの消沈で生存の岐路
東洋経済オンライン 2月28日(火)11時2分配信

減損リスクを抱える堺の大型液晶工場
 シャープの業績が著しく悪化している。今2012年3月期の営業利益は、従来の微増益予想から一転、均衡圏近辺に、最終損益では過去最悪の赤字額となる見通しだ。東洋経済では従来から会社計画の達成は難しいとみていたが、ここまでの急落は想定外だった。

最新鋭の液晶パネル工場近景

 2月1日修正後の会社計画は、売上高2兆5500億円(前期比15.6%減)。営業損益ゼロ(前期は789億円の黒字)。純利益は新たに1200億円の繰延税金資産取り崩しを迫られ、2900億円という巨額赤字(前期は194億円の黒字)に陥る。従来の会社計画に比べ、売上高で2500億円、営業利益で850億円。純利益で2960億円の下振れとなった。

 11年10〜12月期(第3四半期)決算の低迷からみて、東洋経済ではこの会社数値ですら実現は厳しく、再下降する余地があると考えている。

 シャープが昨年10月27日に今期最初の下方修正を実施した際は、円高による太陽電池事業の下振れが減額の主因だった。今回は、国内テレビ、携帯電話事業、液晶パネル事業という3大事業(総売上高に占める割合は6割)の悪化が背景にある。

 順を追って見ていこう。

 テレビ事業は700億円の売り上げ下振れ(10月27日の修正計画対比、以下同)を織り込んだ。従来、シャープが予想していた11年10月〜12年3月(下期)の国内テレビ販売台数は230万台と前年同期比6割減。地デジ切り替え需要の消滅を十分織り込んだものと思われた。しかし、フタを開けてみると、販売台数は7割減少(10月〜12月期の前年同期比)。販売価格的にも、32インチで2万円台のテレビが市場に出回った。結果、シャープの国内テレビ事業は10〜12月期には営業赤字に転落。テレビ事業の収益のほぼすべてを国内で稼いできた同社にとっては、影響甚大である。

 携帯電話は200億円の売り上げ下振れ要因。今期の携帯電話販売台数は900万台(前期比7.6%減)から800万台(前期比17.9%減)へ下方修正した。うち、9割が国内向けだが、「米アップル社の『アイフォーン』にシェアを奪われている」(同社)ため、従来型携帯電話の落ち込みを自社のスマートフォン増販でまったくカバーできていない。

 液晶パネル事業は、1000億円の下振れ要因となった。内訳は、テレビ用の液晶パネルが約500億円分。自社「アクオス」減販以上に、外販需要の消沈が痛い。11年3月末まで全体の3割はあったテレビ用液晶パネルの外販は、同12月末には約1割に落ち込んだ。

 片山幹雄社長の釈明は、皮肉の一言である。「当社が北米で60インチのテレビを必死で拡販した結果、北米の台数は大幅に伸びた。しかし、当社の価格攻勢にたまらず他のテレビメーカーが手を退きはじめ、液晶パネルの外販が低迷した」。

 残りの500億円分は携帯端末用などの中小型液晶パネルだ。アイフォーンの席巻で、シャープがパネルを供給していた日系携帯電話メーカーも、販売計画を大幅に下回ったことが要因。加えて、亀山第二工場から11年中に出荷を予定していたタブレットPC向け新型液晶パネルも、立ち上げ時にトラブルを起こし、12年2月に供給時期が延びてしまった。

 11年6月、シャープは事業構造改革を発表し、価格低下が著しいテレビ用大型液晶パネルを徐々に縮小し、スマートフォンタブレット向けに仕向先を切り替える、と表明した。「これで業績のソフトランディングを目指したが、結果的に逃げ切れなかった」と、片山社長は報道関係者の前で声を落とした。

 シャープの苦難はまだ続く。来13年3月期も間違いなく国内テレビ市場の回復は期待できない。携帯電話も、ここにきて外資系メーカー(アップル、サムスン電子)に対する劣勢が明確になった。

 さらに、液晶事業は大阪堺工場の減損リスクという“爆弾”を抱える。投資額約4000億円をかけ09年10月に鳴り物入りで立ち上げた最新鋭工場だが、現在の稼働率は5割前後と低迷。12年夏ごろまでに在庫調整を終えてフル生産近くに回復できなければ、減損の危険性がある、と同社は認めている。

 同工場には2000億円の資産価値が残っており、仮に減損を実施すれば、2期連続で4ケタ赤字という悪夢のシナリオも現実味を帯びてくる(現時点では東洋経済予想に減損は織り込まず)。

 今年2012年にシャープは創業100周年を迎えるが、この節目の年を華々しく祝うゆとりはない。テレビ事業という屋台骨の崩壊が明白となった今年、シャープはくしくも創業以来最大級ともいえる正念場を迎えることになる。

(西澤 佑介=東洋経済オンライン)

生存の危機!まさにその通りだろう。東芝や日立、三菱電機は重電へと移行し生き残れるだろう。しかしパナソニックソニー、シャープが危ないと見ている。それはマネジメントがなってないからだ。
もちろんエルピーダメモリーにも通じるからだ。共通するのは「国の支援」だ。
1)「円高」を言い訳にして体質強化・変化をおこなった。
2)エコポイント(家電)、政府の出資(エルピーダ)を受け、辞書努力、そして見通しを見誤った。
特に2)が明暗を分けているのではないだろうか?

そしてパナソニックが社長交代。遅すぎる!

円高や韓国との競争、パナソニック経営陣刷新も厳しい船出
産経新聞 2月28日(火)21時14分配信

 パナソニックが28日、巨額の業績赤字見通しを受けてトップ交代を決断したのは、経営陣を刷新して構造改革を断行する必要があると判断したからだ。今後は環境エネルギーなどに経営資源をシフトし、業績のV字回復を目指す。ただ、歴史的な円高や韓国勢の台頭など家電業界を取り巻く環境は激変しており、新しい経営陣にとっては厳しい船出になる。

 「交代はベストのタイミングだった」。大坪文雄社長は28日の会見で、一部で指摘される引責辞任を強く否定した。

 主力のテレビ事業は、円高や韓国勢の台頭で採算が悪化している。巨額投資の成長戦略が裏目に出て、テレビ用パネル生産を一部停止するなどリストラ費用がかさんだ。

 平成24年3月期は、過去最悪の7800億円の連結最終赤字に転落する見込みだ。今後はテレビ事業を縮小する一方、成長が期待される海外での白物家電、車載用電池といった環境エネルギー事業を強化し、収益力回復を図る。

 今年1月に事業統合した三洋電機パナソニック電工の商材も生かし、工場や店舗に空調や照明、太陽電池を一括して提案する「まるごと事業」に活路を見いだす考えだ。

 しかし、V字回復を果たした中村邦夫会長の社長時代とは違い、家電業界を取り巻く経営環境は格段に厳しくなっている。「『復活』のためには人が最大の財産」。次期社長に内定した津賀一宏専務はV字回復に強い意欲を示した。

 ただ、超円高の定着や、欧州債務危機に伴う欧米市場の低迷に加え、韓国勢との競争は激しさを増している。頼みの「まるごと事業」も「収益への貢献は時間がかかる」(証券アナリスト)見通しだ

はてさてパナソニックは生き残れるだろうか?液晶とプラズマの二重投資など、はっきり言って何を考えているか?「?」満載のマネジメントだった。なにせ三洋の白物家電部門をハイアールに売却したのだから・・敵に塩どころか金貨を送ったように見えるが・・?
おりしもキョンキョンが登場するCMでハイアールが日本市場に殴り込みをかけている。安定している白物家電でも勝ち目はないように思える。競争力がある商品はあるのだろうか?せいぜいレッツノートくらいかな?ニッチな商品だけど・・・